髪を切るタイミングはなぜ他人とかぶるのか
自分がある集団に属しているとする。その集団で髪を切った人を一人見つけると、同じ日に、もう一人か二人ぐらいは髪を切った人を見つける。あるあるだ。あまりにあるあるすぎて、あのレギュラーでさえ探検せずに見つけ、あのレイザーラモンRGでさえ全く言いたくなかったという。
ここで確率を簡単に計算しよう。集団の人数を「糞」人、集団を構成する人間がある一日に髪を切る確率を「脱」とおけば
(ある一日に集団内の誰も髪を切らない確率)
=(1−脱)^糞ー①
(ある一日に集団内で一人だけが髪を切る確率)
=糞・脱・(1−脱)^(糞−1)ー②
(ある一日に集団内で二人以上が髪を切る確率)
=1−(①+②)
=1−{1+(糞−1)・脱}・(1−脱)^(糞−1)ー③
となる。
ここで集団の人数を学校1クラス分の30人としてみよう。全員が男子とすれば、一月に一度、つまり30日に一度ほどのペースで髪を切るだろうから、ある1日に髪を切る確率は1/30と見積もれる。式①②③に
糞=30
脱=1/30
を代入すれば
(ある一日に集団内の誰も髪を切らない確率)
=0.362
(ある一日に集団内で一人だけが髪を切る確率)
=0.374
(ある一日に集団内で二人以上が髪を切る確率)
=0.264
となる。
この結果をどう解釈するかは人それぞれである。しかし、一人だけが髪を切る確率に対して二人以上が髪を切る確率が感覚的な予想より高いことと、二人以上が髪を切った時の方が、一人だけが髪を切った時より強く印象に残るということを考慮すれば、「髪を切った人を一人見ると、同じ日に髪を切った人をあと一人か二人は見る」という感覚をよく説明している思う。
幼稚園を出れば、脱糞するペースはせいぜい3年に一度であろう。つまり、ある一日に脱糞する確率は1/1000と見積れる。よって以下の結論が導かれる。
(クラス全員が脱糞しない確率)
=(1−1/1000)^30
=0.970
(クラスで一人だけが脱糞する確率)
=30・1/1000・(1−1/1000)^29
=0.0291
(クラスで一人だけが髪を切り、かつその一人のみが脱糞する確率)
=30・1/30・1/1000・{(1−1/30)・(1−1/1000)}^29
=3.63×10^(−4)
(クラス全員が髪を切り、かつ二人以上が脱糞する確率)
=(1/30)^30・0.264
=1.28×10^(−45)
(クラス全員が脱糞し、かつ担任の先生が髪を切る確率)
=(1/1000)^30・1/30
=3.33×10^(−92)
(宇宙に生命が生まれる確率)
=10^(−40000)
(満員のさいたまスーパーアリーナで全員が脱糞する確率)
=10^(−100000)
宇宙の神秘に勝る集団脱糞の奇跡。なんとも不思議です。