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ツッコミのコツ(問題形式)

ツッコミのコツと言っても短く説明できるものではない。人の文章をだらだら読むのも良いが、自分で問題を解く中で得られるものもある。ということで以下の問題を解いていただきたい。全部で50問。40問以上正解できれば合格としよう。

 

 

第一回全国統一ツッコミ力検定試験  問題・解答

 

大問1

以下の文章の括弧に入る言葉をア〜エから選びなさい。((1)〜(10))

 

ツッコミは(1)である。ボケは何人いてもいいがツッコミは一人だけだ。ボケのミスは他の(2)やツッコミによってカバーされるが、(3)のミスは誰にもカバーできない。常に失敗のプレッシャーと闘っている。

ツッコミは(4)である。ボケは好きなタイミングでボケることができるが、ツッコミはボケがボケるまでツッコむことができない。逆に言えば、ボケがボケた時に(5)かつ正確にツッコまなければならない。そのためツッコミは常にボケの動きに気を張っていなくてはならない。ボケに比べて圧倒的に体力を消費する。

ツッコミは(6)される。好き勝手なタイミングでボケてくるボケの人間の、厳しい目にさらされ続ける。(6)は(7)だから些細なミスも許されない。ミスをしたツッコミは(8)を堪えて気丈に振る舞うが、心の中では深く後悔し、何日も何日も引きずるのである。

ツッコミは(9)である。うまいツッコミがいればいいボケが生まれ、(10)が活性化する。気づけばその集団にとって欠かせない存在となっている。

 

(1)・ア 孤独

         ・イ 忍耐

         ・ウ 危険

         ・エ 不利

 

(2)・ア ボケ

         ・イ ツッコミ

         ・ウ ツケ

         ・エ ボッコミ

 

(3)・ア ボケ

         ・イ ボッコミ

         ・ウ ツケ

         ・エ ツッコミ

 

(4)・ア 瞬発力

         ・イ 受け身

         ・ウ 独立

         ・エ 協調

 

(5)・ア 慎重

         ・イ 迅速

         ・ウ 鋭利

         ・エ 俊敏

 

(6)・ア 賞賛

         ・イ 採点

         ・ウ 批判

         ・エ 審査

 

(7)・ア 加点式

         ・イ 公平

         ・ウ 不公平

         ・エ 減点式

 

(8)・ア 恥ずかしさ

         ・イ 怒り

         ・ウ 悲しさ

         ・エ 焦り

 

(9)・ア 剽軽

         ・イ 人気者

         ・ウ 主役

         ・エ 脇役

 

(10)・ア 集団全体

           ・イ 人間関係

           ・ウ 観客

           ・エ 会場

 

 

大問2

以下の括弧に入る言葉をア〜エからを選びなさい((11)〜(25))

 

(11)A「お前肛門みたいな顔してんな」

           B「(11)」

 

・ア「うるせえよ!」

・イ「誰が肛門じゃ!」

・ウ「おい!誰の顔から糞が出とんじゃ!」

・エ「おい!誰が顔で排泄しとんじゃ!」

 

 

(12)A「プシューッ(脈絡もなくBに殺虫スプレーをかける)」

           B「(12)」

 

・ア「おいやめろ!」

・イ「いや死ぬかぁ!」

・ウ「おい!誰が虫じゃ!」

・エ「死ぬ!死ぬ!」

 

(13)A「殺してやる!プシューッ(Bに殺虫スプレーをかける)」

           B「(13)」

 

・ア「うわぁぁぁぁぁぁいや死ぬかぁ!………死なんのよ…!虫じゃないから…!人には効かんのよ…!虫を殺すためのものだから…!」

・イ「おい誰が虫じゃ!」

・ウ「死ぬ!死ぬ!」

・エ「おいおい!そこまですることかぁ!?」

 

(14)A「暑いだろ、涼しくしてやるよ(Bの服の上に氷を擦り付けながら)」

           B「(14)」

 

・ア「意味ない!意味ない!」

・イ「おいお前きちがいだろ!」

・ウ「服の上からじゃ意味ない!ただ服が濡れるだけ…!」

・エ「おい!殺すぞ!!」

 

(15)(16)A「いやそこはもうちょっとシンプルに○%#◇*¥€÷〆☆」

                       B「(15)」

                       A「いや、だから、そこはもっとシンプルに○%#◇*¥€÷〆☆」

                       B「(16)」

 

・ア「語尾なんて言ってんの?」

・イ「聞こえねえよ!」

・ウ「いやだから語尾なんて言ってんの!?」

・エ「大事なとこが聞こえないのよ!!」

 

(17)A「童貞じゃん」

           B「……童貞じゃねえよ!」

           A「(17)」

 

・ア「嘘つけ!!」

・イ「なんやその虚勢!童貞が透けて見えとる!」

・ウ「遅っ!認めているが故の間(ま)…!」

・エ「おい絵に描いたような意地の張り方すなぁ!」

 

(18)A「童貞じゃん」

           B「童貞じゃねえよ!!!!!」

           A「(18)」

 

・ア「嘘つけ!!」

・イ「なんやその虚勢!童貞が透けて見えとる!」

・ウ「遅っ!認めているが故の間(ま)…!」

・エ「おい絵に描いたような意地の張り方すなぁ!」

 

(19)A「童貞じゃん」

           B「は?童貞じゃねえし」

           A「(19)」

 

・ア「嘘つけ!!」

・イ「なんやその虚勢!童貞が透けて見えとる!」

・ウ「遅っ!認めているが故の間(ま)…!」

・エ「おい絵に描いたような意地の張り方すなぁ!」

 

(20)A「足痛めたわ」

           B「大丈夫?どうしたん?」

           A「いや、原因は分からん。ただ、走り始めに足首は捻った。」

           B「(20)」

 

・ア「いやそれや。それが原因や」

・イ「原因それや」

・ウ「いや原因分かってるやん」

・エ「めっちゃアホやん。それが原因じゃ」

 

(21)A「無限に腹減ったわ」

           B「(21)」

 

・ア「いや無限にってどういうこと!?」

・イ「腹の減り方は有限やろ!」

・ウ「飯行くか」

・エ    無視

 

(22)A「お前口内炎出来たんだって?」

           B「(22)」

 

・ア「出来てないわ!」

・イ「いや『彼女できた?』みたいな感じで聞くな!ほんで出来てないよ!?」

・ウ「いや結構噂になってる風に言うな!ほんで出来てないよ!?」

・エ「このあとどう展開して行くつもりなん!?出来てないよ!?」

 

(23)A「臭っ。お前屁こいた?」

           B「こいてねえよ。お前だろ」

           A「あ、俺だわ」

           B「(23)」

 

・ア「なんで気付かんの!?ケツの神経死んどんか!?」

・イ「そんなことある!?うっかりミスにもほどあるやろ!」

・ウ「やっぱお前じゃねえか!くっっさ!」

・エ「自分の屁に気づかない男!」

 

(24)A「昨日教授のこと間違えてお母さんて呼んじゃったんだよね!デュフフフフッ!」

           B「(24)」

 

・ア「知らんがな!!!」

・イ「知らんがな」

・ウ「そんな間違いある!?」

・エ「へぇ、それはきついな笑」

 

(25)A「消しゴム貸して」

           B「はい」

           A「サンキュー」

           B「わりぃ、シャー芯くんね?」

           A「(無視)」

           B「なぁ、シャー芯くんね?」

           A「(無視)」

           B「(25)」

 

・ア「おい無視すんなよ!」

・イ「都合のいい耳だなぁ!」

・ウ「なんで聞こえねんだよ!」

・エ「おい消しゴム返せ」

 

 

大問3

以下の文章の正誤を答えなさい((26)〜(35))

 

(26)ツッコミは笑わない方が良い

 

(27)ツッコミは誰のどんなボケにも確実にツッコまなければならない

 

(28)いいツッコミを思いついたので、タイミングは遅れたが無理やり言った

 

(29)ツッコミは同じセリフでも、間や声の大きさ、イントネーションや表情によって大きく印象が変わる

 

(30)場数を踏んでいくうちに自分のツッコミスタイルが確立される

 

(31)新しい言い回しを思いついたら、積極的に使っていくべきである

 

(32)目上の人にツッコミを入れるときは、敬語を使わなくてもよい

 

(33)場数を踏めば踏むほど、反応スピードは早くなる

 

(34)ボケがない環境で長く過ごすと、反応スピードは鈍り、良い言い回しも思いつかなくなる

 

(35)自分と相性のいいボケをする人間と、そうでない人間がいる

 

 

大問4

以下のフレーズが誰によるものか、以下のア〜ソから答えなさい((36)〜(50))

 

僕「じゃあ今から自由にツッコんでください。はい、どうぞ」

 

(36)「何を言うてんねん!」バシッ

 

(37)「なんやそれ。素人がしょうもないフリするなこのアホンダラ」

 

(38)「え?どういうこと?何にツッコむの?自由?自由って何なんすか?え、え、…シュレックじゃねえよ!?!?…えこれ何なんすか?」

 

(39)「何やそれぇ!おいバカがスタッフかぁ!?ボケに対してするんよツッコミはぁ!なんで知らんの?」

 

(40)「いやいやいやおかしいでしょぉ!だいたい俺ツッコミじゃねぇしぃ!おいチェン!」

 

(41)「へ?どうひゅうことへすか?ひま?ひま?むひでひょぉ!ボケが無いんはからぁ!」

 

(42)「ちょっと言ってることがよく分からないんですけど、ええ、フフッ」

 

(43)「いや無理でしょ!」

 

(44)「え、ちょっと待って…?今から、俺が、自由にツッコむの?………無理じゃん。ボケが無いんだから。え?どうしたどうした?うん、え?俺がツッコめなかった場合の展開用意してない?……バカじゃね?」

 

(45)「え…え、え、…児島だよ!!」

 

(46)「いやぁ無理でしょぉ!あぁたまおかしーんじゃねえの!?ええ!?」

 

(47)「顔デカイからや!俺の顔がデカイからそんな無茶振りしか思いつかんねん!錯覚や!」

 

(48)「え!?ちょっとちょっとぉ!え!?え!?いやいやいやいや!え!?ちょっとぉ!ん、んん~~バカヤロッ!っつって…!もぉバカヤロッ!つって…!んっへへん……これでいいんですか?」

 

(49)「え、ちょ、何なんすか!?えぇ?ボケ無しで?無傷のとこにオロナイン塗るみたいなもんですよ!?」

 

(50)「え!何ぃ!ちょ、ここどこぉ!?もう目隠しとっていい!?ダメ!?何ぃ!?ツッコめ!?どういうこと!?まず目隠しとっていい!?え、意味わかんない!!ここどこぉ!?」

 

〈選択肢〉

ア.フットボールアワー後藤

イ.ダウンタウン浜田

ウ.安田大サーカス クロちゃん

エ.三四郎 小宮

オ.千鳥 ノブ

カ.出川哲朗

キ.ダウンタウン 松本

ク.バイキング 小峠

ケ.四千頭身 後藤

コ.タカアンドトシ トシ

サ.ハリセンボン 春菜

シ.ハライチ 澤部

ス.アンジャッシュ 児島

セ.小藪

ソ.FUJIWARA 藤本

 

 

 

 

以下解答
 

大問1

以下の文章の括弧に入る言葉をア〜エから選びなさい。((1)〜(10))

 

ツッコミは((1)孤独)である。ボケは何人いてもいいがツッコミは一人だけだ。ボケのミスは他の((2)ア ボケ)やツッコミによってカバーされるが、((3)エ ツッコミ)のミスは誰にもカバーできない。常に失敗のプレッシャーと闘っている。

ツッコミは((4)イ 受け身)である。ボケは好きなタイミングでボケることができるが、ツッコミはボケがボケるまでツッコむことができない。逆に言えば、ボケがボケた時に((5)イ 迅速)かつ正確にツッコまなければならない。そのためツッコミは常にボケの動きに気を張っていなくてはならない。ボケに比べて圧倒的に体力を消費する。

ツッコミは((6)イ 採点)される。好き勝手なタイミングでボケてくるボケの人間の、厳しい目にさらされ続ける。((6)イ 採点)は((7)エ 減点式)だから些細なミスも許されない。ミスをしたツッコミは((8)恥ずかし)を堪えて気丈に振る舞うが、心の中では深く後悔し、何日も何日も引きずるのである。

ツッコミは((9)イ 人気者)である。うまいツッコミがいればいいボケが生まれ、((10)ア 集団全体)が活性化する。気づけばその集団にとって欠かせない存在となっている。

 

(1)・ア 孤独

         ・イ 忍耐

         ・ウ 危険

         ・エ 不利

アが正解。ツッコミは孤独である。誰も助けてはくれない。イは正しいが文脈に合わない。ウは誤り。別に危険ではない。エも不適切。ボケとツッコミは有利不利な関係にあるわけではない。

 

(2)・ア ボケ

         ・イ ツッコミ

         ・ウ ツケ

         ・エ ボッコミ

アが正解。ボケのミスはボケによってもツッコミによっても救われうる。

 

(3)・ア ボケ

         ・イ ボッコミ

         ・ウ ツケ

         ・エ ツッコミ

エが正解。ツッコミのミスは誰も救うことができない。ツッコミのミスをボケや他のツッコミがいじることもあるが、それは正規のルートではない。そもそも、大抵のミスは際どいものであり、いじることができない。

 

(4)・ア 瞬発力

         ・イ 受け身

         ・ウ 独立

         ・エ 協調

イが正解。ツッコミは常に受け身である。アも必要だが、文脈に合わない。ウは誤り。ツッコミとボケは互いに関係し合っていて独立ではありえない。エは正しいとも誤りとも言えないが、文脈に合わない。

 

(5)・ア 慎重

         ・イ 迅速

         ・ウ 鋭利

         ・エ 俊敏

イが正解。ツッコミには迅速さと正確さが求められる。アは誤り。慎重になっている暇はない。ウとエは明らかに誤り。

 

(6)・ア 賞賛

         ・イ 採点

         ・ウ 批判

         ・エ 審査

イが正解。ツッコミは常に採点されている。アは文脈的に誤り。ウは言い過ぎで、一概に批判されるとは言っていない。エは言葉の問題。合否などを決めるわけではないので不適。

 

(7)・ア 加点式

         ・イ 公平

         ・ウ 不公平

         ・エ 減点式

エが正解。ツッコミの採点は減点式である。アは誤り。高いレベルになると加点されることもあるが、この場合は文脈に合わない。イとウは文脈に合わない。

 

(8)・ア 恥ずかしさ

         ・イ 怒り

         ・ウ 悲しさ

         ・エ 焦り

アが正解。ツッコミを失敗すると恥ずかしいものである。タイミング、言い回し、イントネーションなど、様々なミスがある。イは誤り。他人に八つ当たりをするようなことはあってはならない。ウも誤り。別に悲しくはない。エも誤り。何も焦ることはない。

 

(9)・ア 剽軽

         ・イ 人気者

         ・ウ 主役

         ・エ 脇役

イが正解。ツッコミは数が少なく、貴重な存在である。アは誤り。ツッコミは剽軽でもいいが一般的な性質ではない。ウは誤り。ボケあってのツッコミである。別にボケが主役というわけではないが、かと言ってツッコミが主役というわけでもない。エも誤り。主役ではないが脇役でもない。

 

(10)・ア 集団全体

           ・イ 人間関係

           ・ウ 観客

           ・エ 会場

アが正解。集団全体が活性化する。イは誤り。人間関係に活性化という言葉は使わない。ウ、エは場所を誤っているので誤り。

 

 

大問2

以下の括弧に入る言葉をア〜エからを選びなさい((11)〜(25))

 

(11)A「お前肛門みたいな顔してんな」

           B「(11)」

 

・ア「うるせえよ!」

・イ「誰が肛門じゃ!」

ウ「おい!誰の顔から糞が出とんじゃ!」

・エ「おい!誰が顔で排泄しとんじゃ!」

良い順にウ>エ>イ>ア。アは避けたい。「うるせえよ」はどこでも使える分、手抜き感も否めない。また、これを使うと「相手の言っていることを認めてはいる」という感じがする。本当に肛門みたいな顔をしている人以外は他のツッコミを考えた方が良い。イは悪くない。最速で放つ必要はあるが。このボケに対する一番シンプルなツッコミがイのツッコミなので、テンポさえ良ければ一定の面白さはある。ウとエは肛門を間接的に表現してツッコむことに成功しているため、ポイントが高くなる。ただしエは音(リズム的な意味での)が悪い。「誰が顔から排泄しとんじゃ」に直せば、ウにも劣らない。ただそれでもウの「糞が出とんじゃ」の音(読み的な意味での)の良さには負ける。ここら辺の細かいことが分かるまでにはある程度の経験と資質を要する。口で伝わるものではない。

 

(12)A「プシューッ(脈絡もなくBに殺虫スプレーをかける)」

           B「(12)」

 

・ア「おいやめろ!」

・イ「いや死ぬかぁ!」

ウ「おい!誰が虫じゃ!」

・エ「死ぬ!死ぬ!」

良い順にウ>ア>イ>エ。まず反射で出るのがア。テンポはいいがやや単調。アのように、まず反射で「おい!」が出てくるから、この「おい!」を言っている間に頭を回して、殺虫剤をかけられたことに間接的にツッコんだのがウ。とりあえず一発目を反射でツッコミ、その後に付け足す形で二発目を放つというのは常套手段である。というか自然とそうなる。ツッコミを考える間を「おい!」で埋めることにより、ツッコミ全体のテンポが良くなる。それに最悪何も思いつかなくても「おい!」だけ言っておけばツッコんだことにはなる。好ましくなはないが、反応の遅れやスルーといった致命的なミス防止することにもつながる。プロの芸人も「おいおいおいおい!」とか言った後にメインのツッコミを撃ち込むことが少なくない。イは少し先を行き過ぎてる感じがする。相手は「殺虫スプレーをかけて殺そうとする」というところまでは発想していない可能性が高い。「殺虫スプレーをかける」ところまでだろう。この場合、「死ぬかぁ!」とツッコまれても、相手は一瞬「ん?」となってしまうだろう。エはイと同じ行き過ぎの失敗に加え、最もらしいことを言っていない。ツッコミは原則、最もらしいことを言って共感を得なくてはならない。殺虫スプレーで人は死なないので、これはツッコミになっていない。なぜ「最もなこと」ではなく「最もらしいこと」ことなのか。これは千鳥ノブのツッコミを意識した発言であるが、機会があればこれにも触れたい。

 

(13)A「殺してやる!プシューッ(Bに殺虫スプレーをかける)」

           B「(13)」

 

ア「うわぁぁぁぁぁぁいや死ぬかぁ!………死なんのよ…!虫じゃないから…!人には効かんのよ…!虫を殺すためのものだから…!」

・イ「おい誰が虫じゃ!」

・ウ「死ぬ!死ぬ!」

・エ「おいおい!そこまですることかぁ!?」

良い順にア>エ>イ>ウ。ツッコミはボケの意図を汲んでツッコむ箇所を決めなくてはならない。この場合、人に殺虫スプレーをかけていること自体にツッコむのか、人に殺虫スプレーをかければ殺せると思っているところにツッコむのか、という二択が発生する。前者のツッコミがイ、後者のツッコミがアである。(エはどちらかというと、「殺してやる!」という意気込みにツッコんでいるという感じ。もちろん殺虫スプレーのインパクト込みでのツッコミではあるが。)この場合の正解は後者であるから、アがベストアンサーである。アは反射の「うわ」を「うわぁぁぁぁぁぁ」まで引き伸ばし、さらにこれをノリツッコミの形で利用している。これに加えて最初の「死ぬかぁ!」から四回の付け足しをしている。この付け足しという技はかなり有効である。その上考える時間が増えるので使いやすい。イは上記の通り、論点が少しずれているという点で微妙。

 

(14)A「暑いだろ、涼しくしてやるよ(Bの服の上に氷を擦り付けながら)」

           B「(14)」

 

・ア「意味ない!意味ない!」

・イ「おいお前きちがいだろ!」

ウ「服の上からじゃ意味ない!ただ服が濡れるだけ…!」

・エ「おい!殺すぞ!!」

良い順にウ>ア>エ>イ。まずウが一番詳しい。服の上からじゃ意味ない。ただ服が濡れるだけ。詳しく正しい。このような解説調のツッコミには「本当にその通りだわ」という面白さがある。一撃目の「服の上からじゃ意味ない」だけでも正しい解説となってはいるが、二撃目の「ただ服が濡れるだけ」という結果を足すことで、より詳しい解説となっている。前問のアも同様に解説調の面白さを有していると言える。アは確かに正しいが、少し詳しさに欠ける。エは素早くデカイ声で言えればそこそこ。雑な感じは残るが。イは避けたい。「キチガイ」や「頭おかしい」といったフレーズは逃げの色が強いからだ。事象に対してツッコむ努力を怠り、相手の人格に言及してしまっている。このこと自体が悪いというわけではないが、素人が「お前キチガイだろ」を使っているところを見ると、他に何も思いつかなかったのかな、と思ってしまう。

 

(15)(16)A「いやそこはもうちょっとシンプルに○%#◇*¥€÷〆☆」

                       B「(15)」

                       A「いや、だから、そこはもっとシンプルに○%#◇*¥€÷〆☆」

                       B「(16)」

 

ア「語尾なんて言ってんの?」(15)

・イ「聞こえねえよ!」

ウ「いやだから語尾なんて言ってんの!?」(16)

・エ「大事なとこが聞こえないのよ!!」

 

これはストレートにツッコんだ方がいい。また、一回目でイを放ってしまうとワンセットで終わってしまう。アのように聞き返す形のツッコミを入れれば、もうワンセットできるのでより面白い。

 

(17)A「童貞じゃん」

           B「……童貞じゃねえよ!」

           A「(17)」

 

・ア「嘘つけ!!」

・イ「なんやその虚勢!童貞が透けて見えとる!」

ウ「遅っ!認めているが故の間(ま)…!」

・エ「おい絵に描いたような意地の張り方すなぁ!」

(17)〜(19)の三問はAとBの最初の会話が同じだ。これらは、Bの言い方や間などの微妙な違いを、正確に捉えられているかどうかを試す問題である。(17)ではBが一瞬黙っている点を指摘すると良い。

 

(18)A「童貞じゃん」

           B「童貞じゃねえよ!!!!!」

           A「(18)」

 

・ア「嘘つけ!!」

イ「なんやその虚勢!童貞が透けて見えとる!」

・ウ「遅っ!認めているが故の間(ま)…!」

・エ「おい絵に描いたような意地の張り方すなぁ!」

Bが声を荒らげている点を押さえればイが最適である。

 

(19)A「童貞じゃん」

           B「はぁ?童貞じゃねえしぃ!」

           A「(19)」

 

・ア「嘘つけ!!」

・イ「なんやその虚勢!童貞が透けて見えとる!」

・ウ「遅っ!認めているが故の間(ま)…!」

エ「おい絵に描いたような意地の張り方すなぁ!」

Bが絵に描いたような意地の貼り方をしている点に言及すればよい。

 

(20)A「足痛めたわ」

           B「大丈夫?どうしたん?」

           A「いや、原因は分からん。ただ、足首は捻った。」

           B「(20)」

 

ア「いやそれや。それが原因や」

・イ「原因それや」

・ウ「いや原因分かってるやん」

・エ「めっちゃアホやん。それが原因じゃ」

良い順にア>イ>ウ>エ。このケースはツッコむべき箇所が「それが原因だよ」の一点しかない。余計なひねりを加えず、いかに早くそのことを指摘できるかが大事となる。最も少ない音で一撃目を終えているアが最適。次にイ。エは一撃目を外しているので不可。

 

(21)A「無限に腹減ったわ」

           B「(21)」

 

・ア「いや無限にってどういうこと!?」

・イ「腹の減り方は有限やろ!」

ウ「飯行くか」

・エ    無視

何もかもにツッコめばいいということではない。特にこの問題のようなTwitterの言い回しにはいちいち反応しない方がいい。どうやっても寒くなってしまう。無視は関係が悪化するのでウが最適。

 

(22)A「お前口内炎出来たんだって?」

           B「(22)」

 

・ア「出来てないわ!」

イ「いや『彼女できた?』みたいな感じで聞くな!ほんで出来てないよ!?」

・ウ「いや結構噂になってる風に言うな!ほんで出来てないよ!?」

・エ「このあとどう展開して行くつもりなん!?出来てないよ!?」

良い順にイ>ウ>エ>ア。まずアだが、ツッコむ所が違う。「口内炎が出来てないのに出来てると言われたこと」ではなく「話し始めに口内炎を持って来たこと」に対してツッコむべきである。イとウの差は具体性である。「〇〇みたいに言うな」とか「〇〇みたいな感じで言うな」の構文を使うときには、〇〇の部分に具体的なセリフを入れた方が面白い。

 

(23)A「臭っ。お前屁こいた?」

           B「こいてねえよ。お前だろ」

           A「あ、俺だわ」

           B「(23)」

 

ア「なんで気付かんの!?ケツの神経死んどんか!?」

・イ「そんなことある!?うっかりミスにもほどあるやろ!」

・ウ「やっぱお前じゃねえか!くっっさ!」

・エ「自分の屁に気づかない男!」

いい順にア>イ>エ>ウ。一撃目は自分の屁に気づかなかったことを指摘したい。アとイの差はのちに続く言い回しの面白さである。「ケツの神経死んどんか」と「うっかりミスにもほどあるやろ」だったら前者の方が面白い。これは感覚的に理解されたい。ウは自分の屁に気づいていないということに言及できていない。二撃目も的外れである。エは人を選ぶ。今の日本で体言止めのツッコミを自在に操れるのはノブぐらいであろう。

 

(24)A「昨日教授のこと間違えてお母さんて呼んじゃったんだよね!デュフフフフッ!」

           B「(24)」

 

・ア「知らんがな!!!」

・イ「知らんがな」

・ウ「そんな間違いある!?」

エ「へぇ、それはきついな笑」

誰にも彼にもツッコめばいいというものではない。上のような状況で全力のツッコミを放てば怪我をするのは自分であろう。イかエのように受け流すのが安全である。エはイより優しく、さらに通常の会話につながるのでやや優勢。

 

(25)A「消しゴム貸して」

           B「はい」

           A「サンキュー」

           B「わりぃ、シャー芯くんね?」

           A「(無視)」

           B「なぁ、シャー芯くんね?」

           A「(無視)」

           B「(25)」

 

・ア「おい無視すんなよ!」

・イ「都合のいい耳だなぁ!」

ウ「なんで聞こえねんだよ!」

・エ「おい消しゴム返せ」

これは私が好きというだけの話だろうが、とにかく好きである。富澤の「ちょっと何言ってるかわかんない」に対する伊達の「なんで何言ってるかわかんねんだよ」に通じる面白さがある。ストレートに「なんで?」と聞き返しているだけだが面白い。イは無しではないが、ウの後に続けて言ったほうがよい。アとエは喧嘩腰なのでよくない。

 

 

大問3

以下の文章の正誤を答えなさい((26)〜(35))

 

(26)ツッコミは笑わない方が良い

原則はこれ。最近はそんなこともなくなりつつあるが。

 

(27)ツッコミは誰のどんなボケにも確実にツッコまなければならない

これは(24)でもやったが誤りである。

 

(28)いいツッコミを思いついたので、タイミングは遅れたが無理やり言った

無言の空白ができてしまったらもうツッコむべきではない。そうならないためにも、とりあえず「おい!」とか、「いやいや!」とかを挟んで考える時間を取ると良い。

 

(29)ツッコミは同じセリフでも、間や声の大きさ、イントネーションや表情によって大きく印象が変わる

当然である。ここが苦労する所なのだ。

 

(30)場数を踏んでいくうちに自分のツッコミスタイルが確立される

自分らしいツッコミというのが見えてくるものである。

 

(31)新しい言い回しを思いついたら、積極的に使っていくべきである

何事も挑戦である。そこからスタイルが広がる可能性もある。

 

(32)目上の人にツッコミを入れるときは、敬語を使わなくてもよい

本当はタメ口が一番スッキリ収まるが、流石にそうはいかない。「〜じゃないすか!」とか「〜ですよ!」ぐらいにしておくべきである。

 

(33)場数を踏めば踏むほど、反応スピードは早くなる

これは本当にそうだ。

 

(34)ボケがない環境で長く過ごすと、反応スピードは鈍り、良い言い回しも思いつかなくなる

これも本当にそう。ボケの人間といると気を張って疲れるが、ゼロというのはやはりよくない。良薬は口に苦しである。

 

(35)自分と相性のいいボケをする人間と、そうでない人間がいる

これも不思議だがそうである。

 

 

大問4

以下のフレーズが誰によるものか、以下のア〜ソから答えなさい((36)〜(50))

 

僕「じゃあ今から自由にツッコんでください。はい、どうぞ」

 

(36)イ ダウンタウン 浜田「何を言うてんねん!」バシッ

 

(37)セ 小藪「なんやそれ。素人がしょうもないフリするなこのアホンダラ」

 

(38)サ ハリセンボン 春菜「え?どういうこと?何にツッコむの?自由?自由って何なんすか?え、え、…シュレックじゃねえよ!?!?…えこれ何なんすか?」

 

(39)オ 千鳥 ノブ「何やそれぇ!おいバカがスタッフかぁ!?ボケに対してするんよツッコミはぁ!なんで知らんの?」

 

(40)カ 出川哲朗「いやいやいやおかしいでしょぉ!だいたい俺ツッコミじゃねぇしぃ!おいチェン!」

 

(41)エ 三四郎 小宮「へ?どうひゅうことへすか?ひま?ひま?むひでひょぉ!ボケが無いんはからぁ!」

 

(42)キ ダウンタウン 松本「ちょっと言ってることがよく分からないんですけど、ええ、フフッ」

 

(43)コ タカアンドトシ トシ「いや無理でしょ!」

 

(44)ケ 四千頭身 後藤「え、ちょっと待って…?今から、俺が、自由にツッコむの?………無理じゃん。ボケが無いんだから。え?どうしたどうした?うん、え?俺がツッコめなかった場合の展開用意してない?……バカじゃね?」

 

(45)ス アンジャッシュ 児島「え…え、え、…児島だよ!!」

 

(46)ク バイキング 小峠「いやぁ無理でしょぉ!あぁたまおかしーんじゃねえの!?ええ!?」

 

(47)ソ FUJIWARA 藤本「顔デカイからや!俺の顔がデカイからそんな無茶振りしか思いつかんねん!錯覚や!」

 

(48)シ ハライチ 澤部「え!?ちょっとちょっとぉ!え!?え!?いやいやいやいや!え!?ちょっとぉ!ん、んん~~バカヤロッ!っつって…!もぉバカヤロッ!つって…!んっへへんっ……これでいいんですか?」

 

(49)ア フットボールアワー 後藤「え、ちょ、何なんすか!?えぇ?ボケ無しで?無傷のとこにオロナイン塗るみたいなもんですよ!?」

 

(50)ウ 安田大サーカス クロちゃん「え!何ぃ!ちょ、ここどこぉ!?もう目隠しとっていい!?ダメ!?何ぃ!?ツッコめ!?どういうこと!?まず目隠しとっていい!?え、意味わかんない!!ここどこぉ!?」

 

〈選択肢〉

ア.フットボールアワー後藤

イ.ダウンタウン浜田

ウ.安田大サーカス クロちゃん

エ.三四郎 小宮

オ.千鳥 ノブ

カ.出川哲朗

キ.ダウンタウン 松本

ク.バイキング 小峠

ケ.四千頭身 後藤

コ.タカアンドトシ トシ

サ.ハリセンボン 春菜

シ.ハライチ 澤部

ス.アンジャッシュ 児島

セ.小藪

ソ.FUJIWARA 藤本

 

 

ツッコミは奥が深く難しいものである。