わしの暇つぶし

暇つぶしにもってこいの面白ブログ

【文章コント】変顔(一話完結)

 

A「なぁ、新しい変顔マスターしたから見てくれよ」

 

B「おお、やってみろ」

 

A「いくぞ」

 

にゅいーん

 

A「どう?」

 

B「いや、全然面白くないわ」

 

A「おい全然は言い過ぎだろうが」

 

B「そもそもお前みたいなブサイクが変顔したって何も面白くねえんだよ」

 

A「お前もブサイクだろ!だったらお前がやってみろよ」

 

B「いいよ」

 

ニュウィィィン

 

A「……え?…………え?…え?」

 

B「疲れるんだけど。まだ?」

 

A「あぁ…わりぃ、一回戻していいぞ…」

 

にゅ〜ん

 

B「どうした?」

 

A「いや…ごめん、もう一回やってもらっていい?」

 

B「はぁ?なんでだよ」

 

A「いや、まだ幻覚とかの可能性もあるから」

 

B「幻覚?何言ってんだよ?」

 

ニュウィィィン

 

A「……」

 

A「いやめちゃくちゃイケメーーーン!!!!

 

A「え!?え!?めちゃくちゃイケメンじゃん!!坂口健太郎みたいになってるぞ!!!」

 

にゅ〜ん

 

B「うるせえな?どうしたんだよ」

 

A「いやお前の変顔めちゃくちゃイケメンじゃねえか!!」

 

B「はぁ?そんなわけねえだろ」

 

A「いやマジだって!!坂口健太郎みたいになってたぞ!」

 

B「からかってんのか?そんなわけねえだろ!」

 

A「本当だって!!もう一回やってくれ!!」

 

B「んだよ…!疲れるから嫌だっつーのに…」

 

ニュウィィィン

 

A「いやなんで……?どうなってんのこれ…?イケメンすぎるだろ…」

 

B「まだぁ?疲れるんだけど!」

 

A「いやこれ疲れる!?顔ギューッてするタイプの変顔なら分かるけど…!めちゃくちゃリラックスしてるじゃねえか!」

 

B「いやいや、ギューッてやってるって」

 

A「それギューッてやってんの!?!?嘘つけぇ!!全シワが消滅してるわ!!」

 

にゅ〜ん

 

B「ハァ…ハァ…めっちゃ疲れた…」

 

A「いやお前すげえよ!もうずっと変顔でいろって!めっちゃモテるぞ!」

 

B「疲れるから無理だって!ていうか俺みたいなブサイクが顔シワくちゃにしたらイケメンになったなんて信じられねえんだよ!」

 

A「いやだから全然シワくちゃになってないのよ!逆いっちゃってんの!ピーンいってるから!全シワが!」

 

B「そもそも俺はカッコよくなりたいんじゃねえんだよ!俺はなぁ、お前と一緒に面白くなりてえんだよ!!」

 

A「お、お前……!」

 

B「へへっ…//」

 

A「あ、可愛い女の子だ」

 

ニュウィィィン

 

A「思いっきりやってるぅぅぅぅぅ!!!!確信ないくせにイチかバチかやってるぅぅぅぅぅぅ!!!

 

A「連絡先交換したぁぁぁぁぁぁぁ!!俺と一緒に面白くなるんじゃねえのか!?俺を置いてカッコよくなってんじゃねえか!!」

 

にゅ〜ん

 

B「ハァ…ハァ…やったぜ…!」

 

A「ドヤ顔ブサイクすぎるだろ。ふやけた乾パンみたいになってるぞ!」

 

B「…ハァ…なんで連絡先交換できたんだろ?ファッションが気に入ったのか…それとも性格が気に入ったのか…」

 

A「顔が気に入ったんだよ!!頑なに認めねえなぁ!!お前の変顔はカッコいいんだよ!!」

 

B「そんなわけねえだろ!!絶対信じねえ!」

 

A「あ、有村架純ちゃんだ」

 

ニュウィィィィィィィィィィン

 

A「いや絶対信じてるだろ!!!有村架純ちゃんなだけあってニュィィィン長っ!!……ウソウソ!!有村架純ちゃんがこんなところにいるわけねえだろ!」

 

にゅ〜ん

 

B「ハァ…ハァ…だよな?笑。ウソだと思ったわ」

 

A「嘘つけぇ!!めちゃくちゃニュウィィィンしてたじゃねえか!!そんで通常モードブッサ!アナコンダに三回喰われたんか!?」

 

B「あの俺さ、好きな子がいて、ちょっと告白してみようかなと思ってるんだけど」

 

A「おぉ、いいじゃん!今なら絶対いけるって!」

 

B「いきなり本番じゃ緊張するから練習させてくれ」

 

A「オッケーオッケー、俺がその女の子の役をやればいいんだな」

 

B「頼む」

 

A「任せろ」

 

 

 

B「あの…俺…ずっと前から…」

 

A「いや待て待て待てぇ!!!なんでアレ使わないの!?この顔じゃ無理だって…!」

 

B「いや、俺、この子にだけは嘘つきたくないんだ…。無理かもしれないけど本当の俺で勝負したい…!」

 

A「お前…!男だな…!!……すまん、おれが悪かった…!」

 

B「じゃあ、電話で呼び出してみるな」

 

A「おう!」

 

B「もしもし?今から会えない?うんうん、そうそう!オッケー、待ってるから!!」

 

A「どうだった?」

 

B「来てくれるって!」

 

A「よし!じゃあ俺は木の陰で見守ってるわ」

 

テクテクテク

 

A「あ、来た、あの子か…!おぉ…可愛い…!頑張れよ…!」

 

A「ん?誰か後ろからついて来てるな…!うわめっちゃイケメン…!待てよ…あれって…もしかして…」

 

キュィィィィィィィィィィン!!!

 

A「使ったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 

A「イケメン彼氏を目の当たりにして覚悟ブレたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

A「いや、でもイケメンモードならイケるかも!!」

 

A「もう告白しちゃえ!……お、いったいった…!どうだ…?返事は…?」

 

A「え!!え!!オッケー!?よっしゃぁぁぁぁぁ!!」

 

にゅ〜ん

 

ニュウィィィィィィィィィィィン

 

A「一瞬気が緩んだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 

A「嬉しさのあまり気が緩んで、ドブみたいな笑顔を一瞬晒したぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

A「フラれたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!彼女は見逃してなかったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

 

 

 

A「おいもう泣くなって…!あのまま付き合えてても、どうせいつかはバレてたって」

 

B「うぅ…グスン…グスン」

 

A「泣いてたって始まんねえよ…!」

 

B「グスン……ごめん…今日は帰るわ…」

 

A「そうか……ちゃんと気持ち整理しろよ?…じゃあな…」

 

B「おう…」

 

トボトボトボ

 

A「あいつ…あんな下向いて…」

 

キュパイパイパイパイパイパイパイ

 

A「いやそれは何ぃ!?!?